ドニー・イェン演じるイップマン映画の原点と言える「序章」について、あらすじ・感想をまとめました。
イップ・マン序章★マーシー的採点70点/100点
アクション
ドニー・イェン
爽快感
ストーリー性
目新しさ
イップマン序章のあらすじ
物語は1930年代の広東省仏山市から始まります。
そこで武館(武術道場)を新たに開くリュウはイップマンを訪ねてきます。
手合わせを願ったものの、リュウは軽くあしらわれました。
凧あげをしていて、それを偶然見ていたユンが吹聴してうわさが広まります。
それを知ったリュウは激高してユンに詰め寄り騒動が起きますが、ラムが間に入ってどうにか鎮静化しました。
騒動を聞きつけた警察署長のリーが現れ、武術は時代遅れだと拳銃をイップマンに突きつけます。
しかし、片手でシリンダーを抜いてリーを黙らせたのでした。
ある日、カム・サンチャウと名乗る拳法家が仏山やってきて道場を荒らして主を次々と倒します。
イップマンには勝てないと言われ対戦を求めますが、私と戦わなくとも武館は開けると言い相手にしませんでした。
家具を壊さない程度にと諫め妻の許可がおりると、カム・サンチャウは対戦し敗れます。
その後、戦争によって仏山は日本軍に占領されてしまいました。
家を追われたイップマンでしたが、あばら家で貧しいながらも必死に生きようとします。
カム一党は武館を持つ夢も失い、戦争によって山賊となり街を荒らすようになっていました。
そんな中、元警官で日本軍の通訳となったリーと再会します。
リーは日本軍が空手の組手の相手を探していることで、志願者を斡旋していました。
組手で勝つことで米を獲得できるのですが、敗戦し死んでしまう者が相次ぎます。
ラムが戻って来なくなりその事に気づいたイップマンは、自らも組手の相手を志願し乗り込んでゆくのでした。
イップマン序章の映画情報
制作年:2008年
日本公開:2010年
監督:ウィルソン・イップ
主演:ドニー・イェン
出演:サイモン・ヤム
出演:池内博之
イップマン序章を観た感想
この作品で初めてドニーイェンと出会いました。
一番最初に見たときでは優男に見えて、なんかパッとしないな~なんて思っていたものです。
けれど、シリーズを重ねていくうちに質実剛健な様がすごくカッコよくてドニーイェンの虜になっていました。
前半は中国人同士の小競り合いがありますが、後半には日本軍に占領された史実を元に、中国人が虐げられています。
イップマン作品は史実を元にしたフィクションなので、歴史映画として見るのは少々感情に触れる部分もあるかもしれません。
ですからあまり反日作品だとか、そういった感情は持ち合わせずに見る事をおすすめします。
元々カンフーアクションが好きだったのもありますが、彼のアクションは見ていて爽快感があります。
作品自体も古き良き中国のアクション映画として見たら、とても面白かったです。
プライムビデオのレビュー
視聴した人のレビューも観ましたが、基本的に好印象の物が多いです。
ただ、今作は戦争を一部扱っているので反日的な目線で見ると評価がガラリと変わります。
あまりそういう事を意識せずに、純粋に映画として見たら面白い作品です。
作品の面白さがいくらか伝わるものを紹介してみます。
硬派なカンフー映画として、エンタメとして見た方がいいけれど……ドニ―・イェンの非常にリアルなカンフーの迫力だけで十分楽しめる映画です。
一方で、これを中国と日本の戦争の歴史のひとつとしてとらえてしまう人が必ずいると思うので、その点は相当に偏りがあることには注意したい。
ストーリーではイップ・マンは中国人代表として非道な日本人をやっつけた英雄に思えますが、史実としてのイップ・マンは当時の中国から香港に亡命して詠春拳を広めた人物。中国武術の達人の多くが文化大革命の際に、香港や台湾に渡ることで、本当の意味での中国武術を残し活躍していることからも、決して中国礼賛の映画ではないことはわかります。
日本軍側も、彼を達人として認めている描写になっており、日本軍だけが悪者にされているわけでもありません。側近の兵士がむかつくというところは、中国人でも日本人でも欧米人でも同じ感情を持つはず。
映画はあくまでエンタメです。ただし、この映画を見た人に対して、プロパガンダ的に何か負の感情を中国人、日本人双方に残すかもしれない。そのあたりは、観る側の想像力と事実をしっかり理解したうえで、当時の社会情勢をあらためて学びなおすきっかけにできるといいのかなと思います。
私は生粋の日本人ですが、中国武術の歴史やそれを取り巻く戦争との関係など、歴史物語としてとても好きです。日本軍がひどかったことも戦争中では事実かもしれない。しかし、武術のすばらしさと、日本人と中国人が中国の伝統的な武術という文化を通して仲良くなれるというところは、きっちりと線引きして、素晴らしい映画として楽しむべきだと思います。
引用 プライムビデオ
プロパガンダというレッテル張り日本が中国を侵略したのは史実であり、この映画はその史実に基づいて実在の武術家イップマンを架空の「ヒーロー」として描いている。日本軍は美化されすぎているが。
日本が中国を侵略した事実を「プロパガンダ」とレッテル張りするのは、歴史を忘却し過去を軽視した人間であり、他の国から将来同じことをされるのは必然である。
イップマンというのは単なる実在の武術家ではなく、一つのイメージである
妻ウィンシンが香港へ逃れる車内で「自分はあの人の心から大切なものを支えてあげられなかった」と佛山に引き返す。
彼女を始め他の登場人物たちも同胞や大切なもののためにそれぞれの戦場に赴く。死を覚悟して三浦との試合に臨むイップマンとよく似ている。イップマンというイメージは中国の人々がそれぞれ持つ強さを意味している。
イップマンは武術家として同胞のラムを救えなかった後悔から日本兵と戦う道を選ぶ。
リーチウはリュウ師匠やラムを見殺しにしてしまった償いの念から命を懸けてイップマン一家を匿う。
チンチュンやその息子は佛山の人々のために武術を習う自分たちの工場を守ろうとする。
用心棒として雇われたイップマンや経営者のチンチュンが工場の労働者と一緒に仕事をするのは中国共産主義の理想である。
またイップマンとチンチュンの友情もまたこの映画の特徴だろう。チンチュンの工場に資金提供したイップマンは「待ってるよ」とだけ言い、自分が困窮してもチンチュンに資金の返済を迫らない。チンチュンもチンチュンで恩を売りたくないためにイップマンの気持ちを尊重する。そして用心棒を買って出るといったイップマンは自分の依頼料は高いぞと嬉しそうに報告するのである。
ラムが弟のタコをずっと箱にしまっていたことを知ったユンはその時初めて死んでしまった兄の気持ちを知る。
このような人間模様が単なるアクション映画の枠を超えて描かれているところに、この映画の面白さがある。引用 プライムビデオ
イップマン序章についてのまとめ
- ドニー・イェン演じるイップマン作品の原点
- 作品は史実のままではなく脚色されたもの
- 戦争歴史を扱っているので偏見の無いように見たい
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